おぼろげ坂

おぼろという人の日記。上がってるのか下がってるのか。分からないけど、あろほもーら。

僕らは最初から開花してる。必要なのは、閉じないことだけだ。

f:id:oboro-arohomora:20180329102252j:plain

直感的に「いまは(自分的にいろんなことの)風向きが良くないな」と思ったので、ちょっとしたひとり旅に出た。奈良から出発し、とりあえずの目的地は横浜。横浜に会いたい人がいるんだけど、これといった約束はしてないから辿り着けなくても問題はナッシング。移動手段はヒッチハイクなんだ。要するに、運が良ければ辿り着けるが、悪ければ辿り着けないってだけの話。横浜行きの新幹線に乗ったとして、運悪く横浜には行けませんでした、みたいなことがどのくらい起こるだろうか。どうせ約束も無いなら僕は「運良く来れました」のほうが、移動という行為そのものを楽しんでいるようで胸が踊る。運に運ばれて踏みしめた土地をダイレクトに感じる。じゃあ、交通費をケチることについての弁明はこのくらいにしとこうかな。

 

oboro-arohomora.hatenablog.com

 

お金を使わない旅ほど、やたらと豪華である。

旅の結果発表をすると、横浜にはぜんぜんまったく到達しませんでした。三重県を経由して愛知県春日井に着いたまでは良かったんだけど、そこから乗せていただいたパキスタン人の男性の方に岐阜のご自宅(?)に案内してもらい、お手製のカレーとナンを振舞ってもらって満腹になってる間に時間的に厳しくなったので諦めた。イスラム教を学ぶといいよ、と言われた。イスラム教には「旅人をもてなす心を持ちなさい」という教えがあるみたいだ。目的地には辿り着けなくても、あぁ、僕は運がいいなぁと思った。

 

f:id:oboro-arohomora:20180329080550j:plain


カラオケボックスで一泊して翌日、関西方面に向かう車を探してたら、旅行中の女性の方に巡り合い滋賀県まで送っていただけることに。5歳の男の子と、その母親だった。男の子【Y君】はありえないほど元気で、車の中で一緒に遊んでるうちにすっかり仲良くなってもらえた。お母様は言う。「この子が元気すぎて毎日私がクタクタになるぐらい。でもそれが何よりも嬉しい」 ものすごいかっこいい女性だったなぁ。

その後、まさかの旅行先の滋賀の美術館にまで連れて行ってもらい、カフェやらランチやら全てお世話になってしまった。Y君は美術館を破壊する勢いで走り回り、叫び、大きく笑う。「もう何言ってもダメで。。信じられないでしょこの子」やれやれと笑うお母様はとても幸せそうだった。Y君は親を一生懸命笑顔にしようとして、お母様も、もちろんそれを分かっていた。お世話になりまくった2人と別れる際、必ずまた会う約束をして、何故かすごくお礼を言われた。

 

 

 

僕らは最初から開花してる。必要なのは、閉じないことだけだ。


Y君を見ていて痛切に感じたことがあるから、それを書いて今日の記事を締めくくろうと思う。とは言っても上手く説明できるかはアレなんだけども、なんというか、「俺はジジイかよ」と思ったんだ。なんで僕らはすぐにジジイ臭くなっちゃうんだろうか。圧倒的なまでに遊んでいる子供を見て「あぁ、俺にもあんな時期があったなぁ」なんて言ってる場合じゃないんだと思う。老いてるぞ!気付け!! Y君は面白い音や、奇想天外な造語を作る。おぼろ的には、『仮面ライダー豚肉そば』っていうヒーローをY君が考案したときは笑った。昔自分が作った段ボールロボットをふと思い出して、それこそ「俺にもそんな時期があったなぁ」なんて思ってしまった。

 

多分誰でも、幼少期はそれぞれに全く別の宇宙が広がってるんだと思う。生を受けた瞬間に起こったビッグバンによる宇宙。それこそがクリエイティビティの源泉なんじゃないかな。ようするに、僕らは最初から【開花している】ということになる。ビッグバンから宇宙は拡大し続けるべきだけど、僕らは逆にその宇宙を閉じ、終焉させる。だって誰にも分ってもらえないからね。でも「面白い」っていう感情は、「分かる」と「意味不明」の境界線あたりから沸く。Y君の意味不明さが面白かったのは、間違いなくY君が尋常じゃなく楽しんでいたからだ。楽しさは必ず伝わるんだと思う。多分、自分の宇宙を閉じることなく楽しみ続けることが、生きる上でのミッションじゃないのか的なことを思った。うん、いい旅だったな。ちゃんと奈良には帰ってきたよ。

 

https://www.instagram.com/p/Bg6Qn3hhOFg/

僕らは最初から開花してる。必要なのは、閉じないことだけだ。【3/29 おぼろげ坂】